top of page
  • たちばなふみ

農業で自然環境保全を

農業で自然環境保全を

「八束の明日を考える会」は島根大学関耕平教授を招いて学習会を開催し私も参加しました。講演内容を抜粋して紹介します。

関教授は、「全国各地の地域づくりの動向・方向性から八束の地域づくりを考える」と題して講演しました。

農業は「いのちの営み」であり「土との対話」、予定通りにいかず季節ごと多種多様な作業が必要である。これを活かして「生態系との共生」を理念に掲げ有機農業でまちづくりをした宮崎県綾町をとりあげ、町民はみんなで有機野菜をつくる「一坪菜園運動」をし、自給自足を中心にすえ、加工業者も町内に誕生させるなど発展していると紹介。

また農山村は急激な人口減少と耕作放棄地、コミュニティでの共同活動ができなくなるなどの問題を抱えている。

国の農業政策は、国際競争力のある農業の育成と大規模化集中化を求めているが、対して国連は、家族農業、中小農家を中心とした地域農業をまもる政策を提唱している。

そのような苦しい中で踏ん張る農山村の今として、地域のための企業「吉田ふるさと村」が機械化を抑えて雇用を創出していることや、無農薬でコウノトリや朱鷺との共生をうたい付加価値化した「いきものブランド米」などの取組を紹介しました。

地域資源の活用と、地域外の資金の流出をできるだけ抑えて、地域内で生産したり購入したりする割合をふやし、多様な業種や職種を地域内につくりことで地域外からの資金を引き込んでいく「地域内経済循環」を高めることが重要だと指摘しました。

また、農には多面的機能があり、人間と自然とが健全な関係性を取り結びながら多様な生物をはぐくみ、自然を形成してきた、農林漁業を通じて「人間と自然との健全な関係性」が形成されている。しかしこうした農の評価がきちんとされているのかといえば、環境に配慮した農業への補助は日本の農業予算2兆6800億円の内わずか500億程度だとし、環境に価値をおく農業予算のつくり方を考えるべきであると指摘。

気候変動など環境問題が人類の存亡にかかわる事態となっている昨今、農業の維持発展をはかることは環境問題の解決につながると訴えました。

八束の取り組みではオゴノリを利用した海藻の堆肥利用での循環型農業があり、こうした取り組みを「行政がわずかに後押し」することで事態が大きく好転する可能性があり、支所の機能強化など課題提起もされました。

参加者からは、産直市や赤貝、ソバの取組の交流がされたほか、島根原発の再稼働への動きに対する不安が語られました。関教授は福島への継続した調査の経験をもとに、農業を基盤とするまちでの原子力災害は土壌の汚染など地域の根本に関わる大問題であると警鐘をならしました。



記事: Blog2_Post
bottom of page