学校に福祉の視点が必要なワケ
子どもは自分が抱えている問題に気づき
解決方法を選べるでしょうか?
現状を知り、学校と連携しながら、地域で、市民としてできることを考えようと新日本婦人の会、学校と福祉を考える会が学習&交流会を開催しました。
社会福祉士長廻芳行氏をメイン講師に、松江市子ども家庭支援課から「ヤングケアラーコーディネーターの役割」、松江市教育委員会生徒指導推進室から「松江市スクールソーシャルワーカー(SSW)活用事業」について報告して戴きました。
松江市では昨年から「ヤングケアラーコーディネーター」という専任職員が配置されたそうで、近隣市町村にはない進んだ取組だそうです。
私たち学校福祉の会は4年前から学校と福祉の連携、ヤングケアラーなどについて学んできましたが、ここ数年本当に取組が加速化していると感じます。長廻さんはじめ宮本先生など子どもの福祉に関わる多くの方の長年の努力のおかげと感謝しています。参加者の方も民生児童委員や看護師、養護教諭、里親など長年子どもの問題に関わって現場でがんばって来られた方が多く、現状を発言して下さいました。
松江市のSSWは中学校区16の内7校に校区型の方が配置され、その他に4人の派遣型の方がおられ活動されているそうです。子どもや家庭への支援だけでなく、教職員への支援、啓発に取り組んで、SSWをより教員が活用しやすくなるよう働きかけておられます。
年間180時間という制約があること、専門家の人材不足が今後の課題とのことです。
長廻さんからは、SSWの仕事について具体例を示しながら今後の展望についてお話がありました。
今は子どもたちが、自分のおかれている状況が「困っていると声をあげてもいい」と気づくきっかけづくりにと動画を作成しているとお話がありました。ヤングケアラーコーディネーターのお話の中でも、子どもは自分の家庭が当たり前だと思っているので気づきにくい、民生児童委員、子ども食堂、地域の見守り、学校、保育園などあらゆる場面で相談や支援につなげる必要性が語られました。
学校の中でも、まだまだSSWは関われる時間が少ないので、教職員の方との連携が重要で、職員研修を重ねて先生方の気づきを啓発すること、学校の中で子どもを評価しない職種・養護教諭・図書館司書・校務技師さんなどの重要性もお話されました。
友人の司書も不登校傾向の子どもと図書館で過ごすことが多いと話していました。私が議会で取り組んできた、学校を支える人たち、そして図書館司書の勤務時間を減らしたことで「学校を支える職員の勤務を削らないで」と予算議会で取り組んだこと、子どもの福祉の視点からも大切なことだと改めて思いました。
最後に長廻さんから、県の人権同和教育課が「学校・福祉の連携の手引き~気づく、つなぐ、支える~」を作成されたことが紹介されました。
いっそう学校に福祉の目が広がり、子どもの権利、学習権の保障につながるよう、皆で学び声を上げていきたいと思いました。
たちばなふみ
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