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たちばなふみ

原発住民投票条例 臨時議会

会派を代表して賛成討論にたちました

市長が条例案に否定的意見をつけてから10日余り。市民の思いを届けたい と準備を重ねてきました。全文紹介します ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 共産党市議団たちばなふみです。会派を代表し本議案を可決すべきという立場で討論します。

日本共産党は、地域や住民生活に重大な影響を及ぼす問題について、住民が意思を表明する機会として住民投票を重視すべきという立場です。直接民主制は間接民主制の限界を補完するものです。住民投票は、市民が一つ一つの政策について意思表示できる最後のよりどころとして地方自治法により認められています。住民みずからの意思を直接投票というかたちで示す運動が松江市で2度もおきていることは地方自治の新しい発展です。そもそも地方自治を考えるときに「住民が主人公」「住民の声をきく」ことが基本ではないでしょうか。

市長は「市民の皆様から幅広くご意見をおよせいただいた」と言いますが、市民の意見を十分聴取したとは言えません。住民説明会はたったの4回。決定から開催までも間がなく、申し込みも必要であり、参加の呼びかけや、意見聴取を行っていることをどれだけ周知したか、疑問が残ります。質問は、原子力規制庁、内閣府、資源エネルギー庁、中国電力が説明したことに限っての一人1分で、意見聴取も不十分でした。マスコミは住民説明会は消化不良と報じました。動画配信やテレビ放送をおこなったと言いますが、説明会そのものが、国や中電からの説明のみを流しただけです。10日の質疑で明らかになった意見の数341という数字は「住民に考える時間が与えられていない」ことを示しています。

この条例が制定されたとしても、すぐに賛否、保留を問う投票を行うわけではありません。 提案されている住民投票条例第18条は「公開討論会」「シンポジウム」開催などを通じて島根原発2号機再稼働の是非にかかわる情報を市民に提供することを求めています。 市は、国の説明だけでなく、多様なあらゆる分野の専門家の意見を市民が共有するために、学習会やシンポジウムなどを開催し、時間をかけて議論するべきです。新潟県では独自の審査が行われ、福島事故の検証「事故原因」「健康と生活への影響」「安全な避難方法」それぞれに検証委員会が設けられ、「原子炉設置変更許可」が出て4年以上検証が続いています。

また請求人の陳述にもあるように、万が一の事故があった場合には、放射性物質が松江市を中心とする地域に放出され住民が被曝するリスクがあることから、規制庁が緊急避難計画の策定を松江市に義務付けています。避難計画は、その他の自然災害と違い、長期にわたることが予測される住民の移転計画です。住民説明会などでも避難計画に市民の疑問や不安が集中しています。

また市長は「産業立地による地域経済の維持」「地元企業の生産活動の活性化」「雇用の保持創出」等のために原発が必要であるかのごとく述べられています。しかし、ひとたび事故が起きれば、産業も、地域も、ふるさとそのものが奪い去られる、このことを福島の原発事故は現実に私たちに示しました。だからこそ世界は危険な原発に頼らない方向へ転換し、安心安全の再生可能エネルギーで地域経済の発展や雇用の創出へつなげようとしています。立地自治体の首長は国に対してエネルギー政策の転換を訴えるべきです。 核のゴミ問題についても避難計画と並んで多くの市民から疑問と不安がよせられています。市長は、経産省から「早期搬出の環境を整える」「核燃料サイクルの推進に責任をもって取り組む」と回答を得たことを安心材料と考えておられるようです。しかし使用済み核燃料の搬出と核のゴミの最終処分について全く目途がたっていません。原爆の材料であるプルトニウムを生み出すだけの核燃料サイクルの破綻はほとんどの学者やマスコミが指摘しています。口約束を安心材料とするのは市民の命と安全の軽視につながりませんか。

規制庁自身が「新規制基準に合格したからといって安全を保障するものではない」と表明し、元規制庁長官も2月6日付け山陰中央新報紙上で「福島原発も事故をする前はそれまでの規制基準に合格していた」のだと未知の危険への警鐘を鳴らしています。もうすぐ11年目の3.11がめぐってきます。福島の事故原因は未解明、いまだに3万人4万人と言われる市民が避難を続けています。100年帰ることのできない地域もあるのです。放射線の被害は遺伝子にも影響を及ぼすことは明らかです。この現実を受け止めるなら、福島原発事故以降の再稼働の判断がこのように性急に行われるべきではありません。 しかも適合性審査はまだ終わっていません。新規制基準への適合性を判断するためには3つの審査、原子炉設置変更許可、設計及び工事計画認可、保安規定認可があり、その内原子炉設置変更許可が出たのみです。原子力規制庁は、適合性審査の終了時期はまだ見通せないと言っているのです。

コロナ禍で市民参加の避難訓練もできていません。市長は、「市民の安心と安全の確保」を最も重視すべきと言われました。多くの市民が複合災害下での避難計画の実効性、核のゴミ最終処分などについて不安と疑問を抱いているのが現状です。住民投票条例の制定で市民に十分な説明、検討の時間を与えなければ、「安心安全の確保」とは言えないのではないでしょうか。住民の声も聞かず、結論を出すのはあまりに拙速です。 また住民投票が市民に責任をおしつけるものというのであれば、市長はどのように責任をとることが出来るというのでしょうか。

この請求署名は、年末のコロナ禍という大変な状況で集められた、高齢の方、女性、若者、子をもつ母親など様々な立場の方の、松江の未来、子供たちの未来を市民がみんなで考えたいという願いです。

また島根半島、宍道湖、中海は、その景観や自然環境、地域の素晴らしさを未来に残そうとあらゆる面で努力が求められる「ジオパーク」として認定されています。保護すべき対象のこの地域のただなかに島根原発があり、30キロ圏内には県庁、大学、松江城があり46万人が住んでいるのです。

一筆一筆の重みを受け止め、松江市民の要求にこたえ、住民投票条例に賛同することを議員の皆さまにお訴えし、賛成討論とします。



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