しまね性暴力被害者支援センター「さひめ」は、 性暴力被害者が安心して相談でき、必要に応じて速やかに病院での治療を受けるとともに、カウンセラー、弁護士等の支援を受けることのできるシステムを構築し、性暴力被害の救済と未然防止を図ることを目的に、電話相談や治療、法的支援のほか性暴力のない社会を実現するための教育啓発活動に取組んでいます。
毎年支援者の養成及び研修のための連続講座を開催しておられ私も参加しています。今年第1回目の公開講座がありました。
さひめ支援員で島根大学人間科学部講師の佐藤桃子先生が「子どもの権利と性教育」についてお話しされました。かいつまんで報告します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本の性教育の問題点である「はどめ規定」について紹介。禁止規定ではないが、望まない妊娠や性暴力についての授業に議会で批判が寄せられたり保護者からクレームがあるなど、やりづらい雰囲気が日本社会にまん延している。
子どもの権利条約や児童の権利に関する条約を批准して30年。2016年にようやく児童福祉法に「権利」という言葉が入った。
1989年に国連で採択された子どもの権利 ・生きる権利 ・守られる権利 ・育つ権利 ・参加する権利 への日本の理解は発展途上。
特に「参加する権利」は、子どもの権利の中でも、新しい考えで「愛護する存在から権利主体へ」と子どもに対する認識が発展している。 子どもの参加、意見表明をできる環境を整えるのが大人の役割だが、子どもも大人も、権利を「義務を果たすと認められるもの」と誤解している実態がある。
北欧デンマークでは子どもの権利が社会に根付いている。性教育は0歳から保護者や保育士向けにガイドラインが示され、年齢にあった対応ができるようケーススタディが誰でもホームページで知ることができるし、「いやなことは嫌」という「境界線」を教えて、幼少期から性的虐待の予防、SOSを出すことができるよう促していく。
子どもの権利に関してデンマークでの事例として、「へそ出しルックで登校禁止」に多くの人が反発したケースを紹介。 「学校が子どもの服装を一方的に決定するのはおかしい」という決定過程が民主的だったか決定過程に子どもはいたのかということが関心事となり、著名人などが次々SNSに投稿したそう
民主的な手法はとにかく話し合うこと 大人からすると面倒だけど、子どもたちと話し合って先生の価値観を押し付けないこと
デンマークではこどもの意見表明「子どもの声をきく」ことが保育・教育実践の中でもっとも重要視されている。性についても子どもたちの探求心を壊さないよう低年齢から始められる。
子どもたちは性について学ぶと同時に、子どもたちは自分たちの声を聴いてもらう方法や、相手を尊重して対話する方法を学んでいる。
子どもは常に権利侵害の危機にさらされている。 今年は「こども基本法」ができて改めて子どもの権利が注目されるタイミング。ひとりひとりの権利を尊重する社会をどうつくっていくかが課題。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ とのことでした。 私も子どもの権利や意見表明、包括的性教育について議会でも訴えているところです。信条「あなたが大切にされる社会」へ貴重な学びとなりました。
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